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正確な電圧測定方法を知りたい

 FPGAの端子にどのような電圧がかかっているか、挙動を確認したいという要求があると思います。ICの端子にて観測する事はできないので、代替手段を考える必要があります。 さらに、手段を講じて取得した波形が実際の端子間波形と近いのかどうかわからないという問題があります。

 通常電圧や電流の変動が少ない部分の測定では、必要に応じてデジタルマルチメーターやテスターなどを用いて、回路図上測定したいポイントと同電位の2点間の電圧を測れば必要なデータが得られます。しかしながらFPGAのパワーラインとなるとそうはいきません。常に急激な電流量の変化が起こり、それに伴って電圧が変動(ディップの発生)しているので、オシロスコープにて電圧の変動を把握する必要があります。

 この時に気をつけたいのがオシロスコープでの測定方法です。急峻な電流変化が起こるので、測定対象の直近でないと配線のインピーダンスの影響をもろに受ける事になります。また、常に電流が急峻に切り替わっている為電波として放射ノイズを発している為、正しく測らないと測定系がハイインピーダンスのオシロスコープでは、放射ノイズを拾ってしまう事があります。拾った放射ノイズはオシロスコープではひげ上のノイズとして観測される為、実際には発生していないノイズの対策に奔走するはめになります。

課題:どのポイントで測定すれば良いか分からない

 電源波形を観測したいが、プリント基板のどこを当たれば良いか、分からない。特に、ビルドアップ基板ではビアがないので困る。

解決策:FPGAの電源端子直近で測定する

 基本的には、測定したい端子にて直接測るのが理想です。電流が多く流れる端子では離れれば離れるほど配線インピーダンスの影響を受け、放射ノイズを配線で拾ってしまう可能性も高くなります。しかし、物理的な問題があるので工夫する必要があります。

 VCCINTとVCCAUXは、基板直下である基板裏面のビアでのみ観測可能です。 ビルド工法等でビアが無い場合は直近のパスコン両端で観測して下さい。下図では、VCCINT裏面でビア直近にあるパスコンの例を挙げています。 パスコン両端で波形を観測する場合は注意が必要です。セラミックコンデンサの電極は応力に対し強くありません。測定時に力がかからないよう配慮する必要があります。

 基板設計時に測定ポイントを考慮し、場合によっては測定用端子を設ける必要があります。

解決策:波形を正確に観測する方法

    1.電源出力電圧波形の観測点
      FPGA電源端子の電圧波形は、各端子に近いところで測定します。
    2.オシロスコープ
      ACレンジで測定します。
    3.プローブ
      10 : 1プローブを使います。(1 : 1プローブは測定帯域不足)


    ・GND線を取り外し、下図のようにスズメッキ線をGNDに巻き付けるか、専用のアクセサリを使い、 
      VCCINT → GND → プローブ(GND)→ プローブ先端 → VCCINT
     によって形成されるループの面積ができるだけ小さくなるようにします。
    ・プローブのGND線が付いたままの状態で測定すると、その部分で輻射ノイズを拾い数倍~数十倍の値が観測されてしまいます。

     半田付けして固定する場合は、同軸ケーブルタイプのプローブを使用します。 但し、同軸ケーブルで自作したものではなくオシロスコープ専用の市販プローブをご使用下さい。