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軽負荷時の動作(大は小を兼ねるか?)②

 

例えば5V 0.1A(=0.5W)欲しい時、5V 2A(=10Wとかなり余裕のあるスペック)出力の電源と5V 0.2A(=1W)出力の電源が手元にあったとします。もし、これらが両方とも価格やサイズも特に問題無かったら使用できるのでしょうか?

 損失についてはどうでしょうか。コンバータには多かれ少なかれ“無駄電力”が存在します。これは自己消費電力とも言われ、負荷に電流を供給していなくても、コンバータがONになっているだけで損失してしまう電力になります。例えばスイッチング・レギュレーターでは、トランジスタ(MOSFETやHEMT等)を駆動する為の電力や、それらのスイッチング素子がON/OFFするだけで生じる損失、内部のコントロールに使用している電力がそれにあたります。三端子レギュレータでも無駄電力は存在しますし、一般的に三端子レギュレータの方が無駄電力が大きく放熱対策が必要な場合が多いです。
 コンバータの効率カーブを見た時に軽負荷時に効率が悪くなっているのは、損失が増えているのではなく、出力の電力が減るとこの無駄電力が目立ってしまう為になります。この無駄電力は、一般的に出力電力が大きい電源の方が大きくなる傾向があります。

入出力電力に着目すると……

図1 無駄電力、もしくは自己消費電力

コンバータの効率カーブを見比べた時に、コンバータによっては明らかに軽負荷時の効率が他の製品と比べて良い場合があります。 この時はそのコンバータは
 ・軽負荷時に発振周波数を下げる
 ・軽負荷時に発振と停止を繰り返すモードにシフトする
という機能を有している可能性が高いと言えます。これらの機能は、スイッチングの回数を減らす事で無駄電力を軽減する効果を狙っています。これらの機能は、軽負荷時の損失を減らせる反面、リップル・ノイズが増えたり、周波数が変わる可能性があるので、後段の回路に影響が無いか確認する必要があります。

電源選定時には、コンバータの仕様範囲や各種機能の確認をお願いします。

図2 軽負荷時の効率の差の一例(パワーセーブモードの有無⇒ 黒線:なし 赤線:あり

鈴木正太郎