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スイッチング素子と転流ダイオードの選定と効率

 同期整流方式はここ数年、広く使われて来ました。下記図はステップダウン式のDC-DCコンバータを使って転流ダイオードを、①ハイサイド素子にトランジスタ(TR)とショットキーバリアダイオード(SBD)の組み合わせ、②ハイサイド素子にパワーMOSFETとショットキーバリアダイオード(SBD)の組み合わせ、③ハイサイド素子にパワーMOSFETと同期整流の組み合わせ、を比較してみました。図1は転流ダイオードに低VFのショットキーバリアダイオードを使って順方向損失を低減させてもトランジスタのスイッチング損失が比較的大きく効率は78%でした。 ②はメインスイッチにパワーMOSFETに変えて試験したものです。MOSFETは低オン抵抗タイプを選定しスイッチングロスを減らしたものです。効率は83%に向上しました。 最後に③の同期整流方式を試して見ました。転流ダイオードには低オン抵抗のFETを選びました。この結果効率は93%と極めて高効率になりました。結局、回路方式の選択で効率は15Wも改善できました。この比較の結果を図表のように損失グラフにして見ると発熱量の差が歴然とします。 この15Wの効率改善でヒートシンクが不要にでき、改善が可能になりました。またヒートシンクが不要になった他、プリント基板の実装面積も1/3と省面積化されました。同じスイッチングレギュレータ方式でも回路の選択でこんなに違う事が分かります。

鈴木正太郎

参考文献:オンボード電源の設計と活用、CQ出版社 鈴木正太郎