低電圧時代のORダイオードはショットキーバリアダイオード(SMD)が使われます。もし二つのDC-DCコンバータをOR接続して使いたい場合、図1-2の回路になります。ショットキーバリアダイオード(SBD)は高温になるとカソードからアノード方向へ電流が漏れ流れる事を知っているでしょうか? ショットキーバリアダイオードに直接高温半田コテを付けてダイオードを加熱させて、これに逆方向(カソードからアノード方向)から電圧を印加します。図1-1は、この加熱時に逆方向へ電流が流れている実測データです。 このダイオードの欠点を知っておかないとSBD-ORで思わぬ失敗をする事があります。図1-3は最近あまり見かけませんが、整流器として使用しているSBDの放熱対策が甘く、ショットキーバリアダイオードがON側のSBDからOFF側のSBDに逆電流が流れ込みトランスをリセットできないトラブルも想定されます。 ショットキーバリアダイオードは高温で逆に電流が流れる素子です。 実験の合間にご自身で確認してみると良いでしょう。
鈴木正太郎