MENU

お問い合わせ
製品検索
English
お問い合わせ
製品検索
English

コンデンサのリードインダクタンスとリップル電圧

(プロードライザの性能)

 電源におけるコンデンサは高周波整流の平滑用、電源ラインインピーダンスの低減、そしてリップルの圧縮とノイズの低減用に必要不可欠の部品となります。ここではコンデンサの真の性能がリードインダクタンスの影響で損なわれてしまう現実を確認する試験を実施してみました。 試験回路は半導体をすべて内蔵されたPOL用IC、MAX1842を使いスイッチング周波数820KHzのPOLコンバータを作り、平滑コンデンサC2を評価できるようにしました(図1-1)。 図1-2に測定結果を記載しました。(a)はポリマーアルミキャパシタのリード端子タイプのコンデンサで220μF/4Vを評価したものです。リップルは27mVp-pと大きいのですが、ここで注目するのはリードインダクタンスの影響でリップル波が上下に浮き上がっている波形です。 図1-2(b)この様な波形に成るのはリードのインダクタンスの影響です。図1-2(b)は、ポリマーアルミキャパシタですがリード端子ではなくSMDのチップタイプです。SMDタイプのコンデンサは見かけ、リードが無いように見えますが実際にはリードインダクタンスは存在しています。このテストではリップル電圧は18mVp-pまで小さくなりましたが、上下に浮き上がっている波形を見ると、まだリードインダクタンスの影響が出ていることが分かります。 図1-2(c)は、NECトーキン社のプロードライザ(Fケース)です。このコンデンサは構造的にコンデンサの腹面に3端子の電極が付いていて、この端子のプリント基板への実装設計が重要な設計ポイントになります。上手に基板設計が出来ると(c)の様にリードインダクタンスの影響を受けない、きれいなリップル波形(8mVp-p)になります。

鈴木正太郎

参考文献:NECトーキン社プロードライザカタログ 2.マキシム社製品カタログ2007