スイッチング方式の電源にとってコンデンサは実に必要不可欠な部品です。ノイズを低減したり、平滑したり、容量による時定数を利用したり様々です。ここでは、コンデンサのフィルタ効果に関して研究します。 図1-1はコンデンサのインピーダンスと周波数特性図です。すべてのコンデンサはインピーダンスを持っていて「V字」型の周波数特性になります。低い周波数から高い周波数に向かってインピーダンス(Z)が下がりますが、50KHzから200KHz付近からインピーダンスは再び高くなります。この高くなる要因はコンデンサのインダクタンスLoの影響です。図1-2はOSコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、低インピーダンスアルミ電解コンデンサなどコンデンサの種類によって、それぞれ違った周波数特性を持っています。 ノイズ除去にはコンデンサのインピーダンスが広い周波数領域で低インピーダンスである事が最も重要です(図1-3)。しかし、1個のコンデンサではこの要求を満たせません。図1-4は違う種類の周波数特性を組み合わせて図1-3の様に広い帯域で低インピーダンス化を人工的に作り、広帯域ノイズフィルタを作る事ができます。 コンデンサは自身の周波数特性も大変重要ですがリード端子にインダクタンス、インピーダンスをいかに小さく実装するかでも特性が大きく変わります。
鈴木正太郎
参考文献:トランジスタ技術2002.2 最新オンボード電源の活用法 鈴木正太郎