アモルファスコアーは特許の問題で応用が遅れた素材です。アモルファスは非晶質金属で作られた磁性材です。性能は高透磁率で直流重畳特性に優れていますので、コバルト系アモルファスではチョークコイルに適しています。 また高周波のMagAmp制御用磁性材としても多く使われています。 アモルファスのBHカーブを図1-1に書きました。合わせてフェライトコアーのBHカーブを重ねて描きましたが、アモルファスのBHカーブは磁界の幅がシャープで細く、磁密度はフェライトに比較して高い特性を持っています。 BHカーブの特徴を活かしたのが、サージ対策や急峻な電流変化時のdi/dt緩和素子としての活用があります。急峻な電流が流れても磁界幅(H)が狭く飽和点の三角部が極めて小さいので急峻な電流には高いインピーダンスとなり、その後直ちに飽和してしまい。フェライトの様なロスが出ません。 図1-2、は従来のCRスナバの代わりに図1-3のようにアモルファスビーズを入れてdi/dt対策にも使われます。 アモルファスビーズはスイッチングパワーMOSFETのドレイン線に挿入してdi/dtの緩和を図りASOエリアを拡大してノイズと安全動作領域の確保にも役立てられています。フェライトと比較して磁気の飽和が狭く、発熱も小さいため応用が広がります。
鈴木正太郎