DC-DCコンバータの回路方式はいくつもありますが大きく分けると①非絶縁型と②絶縁型に分けられます。非絶縁型で一番多用されているコンバータはバック方式といわれる降圧型DC-DCコンバータです。図1の(a)がバックコンバータの基本回路です。スイッチS1にパワートランジスタ又はパワーMOSFETでスイッチング素子のON/OFF時比率を変えて定電圧制御させます。スイッチS1がONの時に電流はインダクタL1を通して付加RLに流れます。スイッチS1がOFF時にはインダクタL1に蓄積されたエネルギーが転流ダイオードD1を通して負荷へ電流が転流されて定電圧制御されます。最近ではスイッチング周波数が3MHzクラスの製品も市販され効率も90%~94%の高効率となっています。POLコンバータは一般的にこのバック型レギュレータを云っています。この方式は小型、低価格が期待できます。 絶縁型フライバックコンバータの基本回路が図1の(b)です。フライバック式コンバータは1石式のON/OFF制御のコンバータで、トランスの一次、二次巻線が逆極性に接続してスイッチング素子S1がON期間にトランスの一次側にエネルギーを蓄積してスイッチング素子S1がOFF期間に二次側巻線から放出したエネルギーを整流ダイオードD1と平滑コンデンサC1で半波整流されて直流化されます。この方式の特徴は二次側の整流がコンデンサインプットで平滑インダクタを使いません。この為、部品数が少なく価格も低減できますが低電圧大電流コンバータの場合、コンデンサのリップル電流が多くなり低電圧大電流には向きません。またチョークコイルが不要な分、絶縁トランスが大きくなる欠点もあります。この方式の特徴はトランスに蓄えらるエネルギー量を制御する方法ということになります。 図1の(C)は、フォワード方式のコンバータです。この方式は一石式ON/ON制御の方式です。一次側スイッチング素子S1がON時にトランスを介して二次側に電力を伝達させる方法です。スイッチS1がONすると同じ時比率で二次側にエネルギーが伝達され整流ダイオードD1、D2インダクタL1、そして平滑コンデンサC1によって整流され安定化された直流を得る事ができます。チョークインプットに為、平滑コンデンサC1へのリップル電流は小さく低電圧大電流に向いています。 図表に特徴を回路方式別に記載しました。非絶縁、絶縁、出力電圧電流、寿命、大きさなどそれぞれの特色を理解して使いこなす事が重要になります。
鈴木正太郎