高速負荷応答速度を測定する事は結構、面倒な作業です。㈱計測技研研究所から発売されています電子負荷には高速応答で試験できる製品が多数あります。 電流が流れている状態を測定する方法として電流プローブがあります。電流プローブは、回路を切らないで電流を測定できるので大変便利です。 さてFPGAなどは動作中、急峻な電流の変化があります。この実際のFPGAの電流を電流プローブで測定が出来るでしょうか? 答えは「出来るが真のdi/dtは測定できない」です。 それは電流プローブというものはリングのフェライトを二つに分割して測定時に電線を挟み込んで使いますが、このフェライトがインダクタとなり急峻な電流を緩和させてしまうのです。 図1-1は超高速DC-DCコンバータに高速電子負荷を接続して急峻な電流変化の測定を行った時の図です。高速電子負荷に付いている電流モニターは高精密の低抵抗を使い、電圧降下を測定して電流を換算しています。図1-2のデータは高速電子負荷付属の電流モニター端子で測定したものです。一方、図1-3は超高速DC-DCコンバータと電子負荷間に電流プローブを挿入して電流を測定したものです。図1-3の場合、急峻な電流変化でなく緩和された電流波形しなってしまいました。この原因は、電流プローブの先端にあるリングフェライトがインダクタンスを持ち、急峻電流変化を緩和させた事が原因です。真の急峻な電流を観測する為には回路に直列に高精度な低抵抗を入れて測定してください。
鈴木正太郎