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高圧電源はコッククロフト・ウォルトン回路で作る

 高圧電源の高圧発生方法は幾つかありますが、最も多用されている方法がコッククロフト・ウォルトン回路方式です。コッククロフト・ウォルトン回路はコンデンサとダイオードを多段式に組み合わせて構成されます。 図1-1はTwo stage Cockroft Walton Multiplierの回路と動作説明の図です。最初の電流がID1がD1を通してC1に充電されます。次にC1に充電された電荷がD2を通してC2にID2の電流が流れC2が充電されて電圧は2倍になります。この動作を繰り返してID3が流れ、またID4が流れ最終的には、この回路ではトランスの2次電圧を4倍電圧に昇圧できます。これをコッククロフト・ウォルトン4段昇圧といいます。更に高い高電圧を作るには、このコッククロフト・ウォルトン段数を増段すればよいわけです。ただし倍電圧は偶数倍となり奇数倍はできません。この方式では200KHV位までは制作可能ですが、それに伴い高圧ダイオード、セラミックコンデンサの選定が大切になります。 高圧出力を定電圧制御させるには入力電圧を制御して負帰還による定電圧コントロールを行います。1次側のトランジスタをPWM制御することはできません。それは高圧トランスは巻き線数が多く、容量をドライブするようになりパルス幅制御ができません。 それでは、絶縁トランスの巻き線昇圧はどの程度できるのでしょうか? 経験的にはハニカム巻き線で1:60が限度となります。トランスで昇圧できない分はコッククロフト・ウォルトンを使う事になります。 図1-1の写真は35KV500μAを作っているコッククロフト・ウォルトン回路で設計したものです。図1-2は18KV1mA のコッククロフト・ウォルトンとなります。これらは絶縁材を充填して高電圧処置をして製品化されます。

鈴木正太郎